築古物件投資のメリット・デメリット、成功のポイント②
前回の記事(築古物件投資のメリット・デメリット、成功のポイント①)
では新築物件投資についてのメリット・デメリットについてのポイントを整理しました。新築物件投資は、事業開始から安定した収益が期待できる点が魅力ではある一方で、事業開始時に多額の資金が必要となる点でハードルが高いことが分かりました。
今回は、築古物件投資についてのメリット・デメリットについて理解し、不動産投資の可能性について探っていきたいと思います!
1. 築古物件投資のメリットとは?
さっそくですが、築古物件投資のメリットについて考えてみたいと思います。
メリットとしては、主に以下が考えられます。
① 安く購入できる
築古物件は、築年数によっては建物の価値がほとんどなく、土地値程度で購入できる場合もあるため、比較的割安で物件を取得できる可能性があります。
② 高利回りが期待できる
築古物件は、物件価格が下がっても家賃は大幅に下がらないため、高利回りである場合が多く、資産効率が高く、収益性に優れています。
③ 資産価値が下がりにくい
経年劣化による建物の資産価値の減少は、築年数の経過とともに緩やかになります。そのため、築古物件は購入時の価格が安いだけでなく購入後の資産価値が下がりにくいという特徴があります。
④ 減価償却によって節税につながる
減価償却とは、建物の経年劣化による資産価値の減少を経費として計上できる仕組みです。築古物件の場合は、償却期間が短く設定されるため、1回に計上できる経費が大きくなり、不動産所得に対して課される所得税の負担軽減につながります。

2. 築古物件のデメリットとは?
築古物件投資を始めるデメリットとして、主に以下が挙げられます。
① 修繕費用がかかる
築古物件は、経年劣化が進行しているため、頻繁に修繕が必要になる可能性があります。耐用年数を迎える設備も多く、突発的な修繕費用がかかりやすい点に注意が必要です。
② 融資が難しいケースも
築古物件は、担保価値も低いため、融資を実行してくれる金融機関が限定される可能性があります。また、融資を受けられたとしても融資額が低くなる場合があり、自己資金が多く必要になる場合があります。
③ リフォーム費用がかかる
築古物件を今のニーズに合った間取りや設備に改修するには、リフォーム費用が高額になる場合があります。築古物件の状況によっては、購入時に多額の費用がかかる可能性があります。

3.成功のポイントは?
① 不動産投資に関する知識を身につける
築古物件に限らず、賃貸経営は、最終的な判断は事業者であるオーナーがしなくてはなりません。不動産会社の意見を鵜呑みにして失敗といったことを回避するためにも、不動産投資全般の知識をしっかり身につけておくことが大切です。
② エリアの調査
築古物件投資では、安定した収益が期待できる築古物件を選択することが成功のカギであるため、購入エリアの調査を事前にしっかりすることが大切です。
エリアの賃貸需要が高いのか、相場と比べて価格がどうなのか、需要の高い間取りかどうかなどです。これらを事前に調査することで、リスクを抑えながら築古物件投資を始められるでしょう。
③ 購入前に物件をチェック
購入後にトラブルが発生した場合、無駄な支出が生じたり、入居者の不満に繋がる可能性があるので、購入前に物件調査をしっかりと行うことが大切です。
建物の不具合の有無、入居者トラブルの有無などを事前に確認しておけば、購入後のトラブル回避に繋がります。
④ リフォームや修繕について学ぶ
将来的に発生するリフォーム費用や修繕費用を把握しておくことも大切です。高い入居率を維持しながら安定した家賃収入を得るには、リフォームや修繕などを行うことが欠かせないため、支出を把握し、収支計画をしっかり立てることが大切です。
⑤ 大規模修繕のタイミングの調査
12〜15年周期で実施される大規模修繕のタイミングに向けて、計画的に資金を積み立てていく必要があります。大規模修繕を適切なタイミングで実施することにより、資産価値の向上やトラブルを未然に防ぐことができます。
⑥ 出口戦略を練っておく
築年数が経過した築古物件は、そう簡単には売れないことも多いため、「数年運用してから売却」、「建物を解体、建替えて売却」など、事前に運用後の出口戦略を練ることが大切です。

まとめ
築古物件投資は、物件購入価格が安く、取得してすぐに家賃収入を得られることから、初めて不動産投資に挑戦する方にとっても始めやすい不動産投資と言えるのではないでしょうか。
しかし、不動産投資の成功が保証されているわけではありませんので、しっかりと知識を身につけずに築古物件投資を始めた場合、適切な判断ができないことによる失敗などで資産を減らす可能性もあるのでその点には注意が必要です。
築古不動産投資を成功へと導くためにも、事前にしっかり学び、リスクを抑えた運用を心がけることが成功のカギとなるでしょう。
文/樫村 和哉(1981+運営事務局)