STUDY

もっと教えて耐震博士

集合住宅「マンション」の「長寿命化」を考える

集合住宅「マンション」の「長寿命化」を考える
― 管理組合が賢く選ぶ、耐震補強という選択肢 ―

全国のマンションやビルが築40年を超える時代。今、管理組合に求められているのは「資産の延命策」と「住まう人々の安全確保」の両立です。
建物の“終わり”を迎えるのでなく、いまできる選択肢の一つが、耐震補強工事。助成金の活用や合意形成を見据えた計画的な進め方で、建物に新たな命を吹き込む道を考えてみませんか。

1. 現状を知るという第一歩

耐震性の把握が建物の未来を変える「うちのマンション、地震が来たら大丈夫?」。管理組合に寄せられるこんな不安の声は、他人事ではありません。
昭和56年以前の旧耐震基準で建てられた建物は、現行基準を満たしていない可能性が高く、そのままでは倒壊リスクがあると言われています。
最初に必要なのは、建物がどの程度の耐震性を持っているかの「現況を知る診断」です。図面の確認や現地調査によって、構造的な弱点や補強の必要性が明らかになります。
ここで重要なのは、「診断=ゴール」ではないということ。目的はあくまで、適切な補強方法を見つけ出すことにあります。

2. 費用と制度を味方につける

コストを抑え、助成金を活用する方法とは「耐震補強は高額だから無理」と諦める前に、知っておきたいのが各自治体の助成制度。耐震診断や補強設計、工事費の一部を負担してくれるケースも多く、うまく使えば自己負担額を大きく抑えることが可能です。
さらに、診断や工法の選定によって補強費用は大きく変わります。すべてを新しくつくり直すのではなく、「今ある構造を生かす」収震補強などの選択肢もあり、無理のないコストで安全性を高めることができます。
コストと効果のバランスを見極めながら、現実的な補強計画を立てることが重要です。

3. 合意形成の壁を越えるには

住民の不安を取り除く“伝え方”が鍵。どれだけ良い補強計画でも、住民の合意がなければ工事には進めません。反対の理由は、「費用が高い」「工事中の生活が不安」「必要性が分からない」といった声が中心です。
そこで必要なのが、「見える情報」による共有です。補強が必要な根拠、費用の内訳、助成制度の説明、工事中の配慮事項など、具体的に示すことで、理解と納得を得やすくなります。
また、実績のある技術者や専門家と共に説明会を実施することで、住民からの信頼性も高まります。合意形成は、安心のための第一歩です。

まとめ

建物の長寿命化は、資産価値を守る投資

管理組合が最終的に目指すのは、「安全で安心な暮らし」を維持しながら、建物の資産価値を守ること。
耐震診断よりも前に「現状を知る診断」はあくまでそのためのファーストステップであり、目的はリーズナブルに、合意を得ながら、効果的な補強工事を実施することにあります。
耐震性の確保は、建物の“寿命”を延ばす手段であり、未来への投資でもあります。建物の長寿命化に向けた一歩を、今、踏み出してみませんか。
1981+倶楽部を運営する耐震補強のスペシャリスト・株式会社キーマンでは、創業以来30年にわたる実績をもとに、高額となりがちな耐震診断よりも安価でまず現状を知るファーストステップとなる「耐震性の現状を知る診断」=「耐震まるわかりくん」を提供しています。
さらには、補強設計、助成金活用の支援、居住者説明、工事までワンストップでサポートいたします。耐震にまつわるセミナーも毎月、東京・神保町にて実施中。
ぜひ、ご相談ください。

耐震に関するトピック

旧耐震基準から新耐震基準へ

「旧耐震基準ってなに?」そんな疑問を持つあなたに
旧耐震基準の建物が抱えるリスクや、補強の必要性について解説します。

「耐震診断」について知っていますか?

「耐震診断ってなに?」そんな疑問を持つあなたに
耐震診断が必要なタイミング、診断の流れについて解説します。

補強設計はどこに頼んでも同じ?

「耐震補強はどこ頼んでも同じじゃないの?」そんな疑問を持つあなたに
建物に最適な補強方法・設計がどうすれば可能になるのか解説します。

耐震補強は未来への投資

「耐震補強って投資になるの?」そんな疑問を持つあなたに
耐震補強が与える物件の価値やメリットを実例と合わせて解説します。

旧耐震を補強したら新耐震になるの?

「旧耐震を補強したら新耐震になるの?」と疑問を持つあなたに
補強後の旧耐震建物の扱いや、安全性をどう証明するのかについて解説します。

耐震、制震、免震、新たな選択肢「収震」とは?

「耐震」「制震」「免震」といった方法は耳にしたことがある方も多いかと思いますが、今回は新たな選択肢として注目されている「収震」についてご紹介します。

地震はなぜ起こる?どこで起こる?

実は、地震の種類によって揺れの伝わり方や影響が異なります。 今回は、地震の発生メカニズムと揺れの特徴について解説していきます。

震度とは?知っているようで知らない基礎知識

地震のニュースで「震度○」「マグニチュード○」といった言葉をよく耳にすると思います。そんな震度の意味などの基本的なことから、耐震基準と震度の関係まで詳しく解説していきます。