分割しづらい不動産が絡む相続トラブルを防ぐためにできること
相続をきっかけに、家族の関係が壊れてしまう——。そんな話を耳にしたことはありませんか?相続は、正しく備えなければ、争いや長期化を招きます。
家族が揉めずに、納得のいく形で財産を継ぐには何が必要なのでしょうか。具体的な事例とともに、対策を解説します。
1. 相続トラブルの現実
相続問題は、一度揉めてしまうと、解決までに非常に長い時間と労力がかかります。中には何十年も放置され、相続人がさらに増えて複雑化しているケースもあります。
筆者が実際に関わった事例では、13人もの相続人が2つのグループに分かれ、激しく対立。調停も長期化し、話し合いは困難を極めました。こうした事例は決して珍しくありません。

2. 揉めやすい家族の特徴
相続トラブルが起きやすい家族にはいくつかの共通点があります。たとえば、家族の仲がよくない、離婚・再婚による複雑な関係がある、遺産が不動産中心で分割しづらい、介護や事業継承の貢献度に差がある、といったケースです。
さらに、生前の話し合いや遺言がないまま相続を迎え、法的知識が乏しいまま協議に入ると、意見の対立は避けられません。外部の口出しも事態を複雑にします。

3. トラブルを防ぐ具体策
最も有効なのは、生前から家族全員で話し合い、相続財産や分け方について認識を共有しておくことです。また、遺言書を法的に有効な形式で残しておくことも重要です。
生前贈与や生命保険の活用も一つの方法で、現金による分割の柔軟性を高めます。不動産の分割方法としては、現物分割・換価分割・代償分割などがあります。さらに、家族信託や後見制度といった仕組みの活用、弁護士・司法書士への相談も、リスク回避につながります。

まとめ
相続を抱える不動産に関するご相談がございましたら、1981+倶楽部でもお話をうかがっています。
どうぞお気軽にお声がけください。
相続で揉めないためには、「事前の準備」が何より重要です。特に、生前の家族会議と法的に有効な遺言書の作成は、トラブル回避の大きな柱となります。家族構成や財産の内容に応じて、柔軟な対策を講じ、必要に応じて専門家のサポートを受けましょう。
未来のトラブルを未然に防ぐことこそが、家族への最大の思いやりかもしれません。
文/1981+倶楽部編集部