リノベーション投資で成功する物件選び
リノベーション投資とは、外観や設備の老朽化などにより、入居者が入らない物件を修繕・リフォームし、新たな「価値」を生み出すことで空室対策や家賃を上昇させ、投資効率を高める手法です。成功の鍵は、適切な物件選びとリスク管理にあります。この記事では、リノベーション投資を成功に導くための物件選定のポイントと注意点について見ていきたいと思います。
1. 立地は最重要ポイント
リノベーション投資において最も重要なのは立地条件です。
駅からの距離だけでなく、周辺の生活環境、地域の将来性、入居者のニーズと合致しているかが判断基準となります。
例えば、大学や専門学校が近ければ学生向けの単身者用、繁華街やオフィス街が近い場合はビジネスパーソン向けなど、ターゲットを明確にした物件選びが収益に直結します。
また、将来的な地価上昇や再開発の可能性も加味すると、長期的な資産価値にも好影響を与えるでしょう。

2. 空室が多く表面利回りの高い物件
あまり修繕されておらず、空室が多く表面利回りの高い物件は、収益を大きく向上させる可能性を秘めています。
修繕されて満室の物件は室内を自由にリノベーションすることができません。購入後、しばらく運用してからリノベーションを考える方には良いのですが、すぐにリノベーションして売却益を得ることを考えるのであれば不向きな物件とも言えます。
一般的に、空室の多い物件よりも、満室物件は表面利回りが低くなります。価格が高く設定されているため、割安に物件を取得することが困難です。
そのため、やはり狙い目は空室が多い物件です。

3.築年数と耐震性の確認
築古物件を検討する際は、築年数や建物の構造に関する確認が重要です。
特に1981年以前に建てられた物件は旧耐震基準に基づいており、耐震性に問題がないか等、事前に専門家に相談すると安心です。
予め建物調査や耐震診断などを実施しておくことで、建物修繕や耐震補強にかかる費用を事前に把握できるメリットがあります。
室内のリノベーションだけでなく、安心・安全の観点からも耐震性を高める建物修繕の実施も重要になっています。

まとめ
リノベーション投資は、物件を「魅せる」物件にするだけでは成功しません。
立地による需要予測、空室リスクを見越した利回りの分析、そして築年数や耐震性といった構造的なリスク調査と対策が必要です。
表面的な価格や見た目に惑わされず、情報収集と計画を綿密に行うことで、長期にわたる安定収益と資産価値向上を実現することができます。
成功への第一歩は、正しい物件選びから始まります。
文/樫村 和哉(1981+運営事務局)